来たる4月25日、ASUMI40の大会まで残すところあと1ヶ月と少し。
コースデータが発表されたというのに、今年に入り一度も山へ練習に行けていません。本番までの試走はもちろん、ホームコースの飯能や越生へ行くことすらままならない状況です。
正直、焦りはあります。しかし、山に行けないならデータで山を解剖し、フィジカルでその負荷を再現するまで。
今回は、発表されたコースレイアウトを徹底分析し、限られた環境下で施した『数値に基づいた悪あがき(対策)』をまとめて本番に臨みます。
ASUMI40kのコースレイアウト
距離38.5㎞ 累積標高 1481m
コースデータを見た瞬間、ピンときたものがありました。
それは、過去に出場した『トレニックワールド in おごせ・ときがわ 30km』との酷似です。
レーススペック比較表
| レース名 | 距離 (km) | 累積標高 (m) | 1kmあたりの登り (m/km) |
| トレニックワールド (おごせ) | 30.7 | 1,369 | 44.6 |
| ASUMI40 (富士100) | 38.5 | 1,481 | 38.5 |
数値を比較してみると、1kmあたりの平均的な登りはおごせ(44.6m/km)の方が若干ハードですが、ASUMI40も38.5m/kmと、トレイルレースとしては十分にタフな設定です。ユーチューブで見る限りロードとダートの割合も似ていると感じます。
距離こそ長いですが、トレニックワールドおごせ・ときがわを何度も完走している身としてはしっかり練習すれば楽しく走り切れるのではと高をくくっています。
ただ特筆すべきは、ASUMI40には「4kmで640mを一気に登る霜山セクション」がある点。
全体の平均斜度ではおごせに似ていますが、ASUMI40は「走れるフラットな区間」と「強烈な急登」のメリハリがより激しいコースレイアウトだと言えます。
走れるところで調子に乗って走ってしまうと霜山にたどり着く前にエネルギーを使い果たしてしまう可能性が高いです。
私は今年出場した見沼UpStreamで、ある衝撃的なデータに直面しました。48kmという距離にも関わらず 「平均心拍数151拍」。
48kmの平坦路で151拍。これは私にとって、脂質代謝よりも糖質代謝に頼り切った『燃費の悪い走り』をしていた証拠です。

気持ちよく完走はできたものの、この数字は私の身体が「有酸素性のエネルギー供給」能力が低く、常にオーバーヒート状態で走っていたことがうかがえます。
本記事では、パーソナルトレーナーとしての知見を活かし、以下の3軸でASUMI40kを攻略するプロセスを公開します。
1【コース分析】 累積640m・平均斜度16%の「霜山」を数値で解剖する
2【有酸素の土台】 平均心拍150超えの反省から導き出した「LSD」の真意
3【出力と着地】 急傾斜をねじ伏せる「高強度ランジ」と「プライオメトリクス」
試走に行けない不安を、確かな「準備」という自信に変えるための戦略。同じ目標を持つランナーの皆さんの参考になれば幸いです。
【コース分析】
GPXのデータを見ると霜山の登山口から山頂までは距離:4㎞、累積標高:640mです。
ホームコースの飯能や越生は素晴らしい練習場ですが、実は『4kmで640m』を一気に登り切れる場所はまずありません。
そこで、平均勾配から導き出した数値をトレッドミルに設定し、霜山をシミュレーションしています。
今回想定されている数値を当てはめると、以下のようになります。
垂直距離:640m÷水平距離:4,000m=0.16
平均斜度16%となります。
16%となると私は走ることはできないので、この区間は1時間のパワーウォークで登りきると仮定して時速4㎞で1時間頑張っています。
【有酸素の土台】
見沼UpStream(48km)での平均心拍数151拍。この数字は、私の身体が「有酸素エネルギー供給」のキャパを超え、常にオーバーヒート状態で糖質を浪費していたことを示しています。
このままでは、後半に激坂が控えるASUMI40kでエネルギー切れを起こすリスクが高いため、あえて「ゆっくり長く」走るLSDで土台を再構築することにしました。
毛細血管の発達とミトコンドリアの活性化
低強度で長時間動かし続けることで、酸素運搬能力と脂質代謝効率を高め、「燃費の良い身体」へ作り替えます。
戦略的減量による「心拍コスト」の削減
マラソンは相対的な数値がものをいうスポーツということで、同じ出力でも心拍数を抑える為に5㎏の減量にも取り組んでいます。
「速く走る練習」ではなく、「心拍を上げずに走り続けるため準備」。これが今回山に行けない私が選んだ、完走へのルートです。
【出力と着地】
実際に山での練習ができない分、ウエイトトレーニングでその刺激を作り出す。
霜山の急勾配をしっかりと登りきる為に高重量(高強度)のランジやステップアップを行うことで、神経系を刺激し、「急勾配の一歩で、体を押し上げる筋力」を養う。
そして、トレランの下りでは、着地衝撃を吸収しつつ次に繋げる「エキセントリック(伸張性)収縮」の強さが不可欠であり、そこから素早く力を発揮する必要があります。
その対策で、スプリットジャンプ、ドロップジャンプなどのプライオメトリクスで対策。
まとめ
山に行けないことは、決してマイナスだけではありません。
環境が制限されているからこそ、一つ一つの動きを数値化し、徹底的にアプローチするチャンスでもあります。
4月25日、富士の麓でこの『悪あがき』が正解だったと証明できるよう、残り1ヶ月、徹底的に脚を作り込みます!

合同会社ORDINARIO業務執行社員/CSCS*D/NSCA-CPT/NSCAジャパンレベルⅡ認定/スポーツ医学検定1級/座右の銘「普通」/ Team 「ULTRUN」/トライアスロンチーム「アイアンノビス」マネージャー/日本トライアスロン連合公認審判員(第3種)/JSPOスタートコーチ(ジュニア・ユース)
現在は池袋、氷川台にて一般の方を主にパーソナルトレーナーとして活動しています。マラソン、トレイルランニング、トライアスロン愛好家。フルマラソンサブ4達成、ウルトラマラソン100km完走、IRONMANミドル完走。現在、IRONMAN完走を目指し日々精進中。