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スポーツ医学 ランニング&トライアスロン 栄養

ランナーに多く見受けられる障害

パーソナルトレーナーという職業を生業にしていると、ケガについて相談されることが少なくありません。

特に、私自身がマラソンやトライアスロンなどの持久系競技を嗜んでいることもあり、ランニングに特異的な障害について相談を受ける機会が多くあります。

私は治療を行う立場ではありませんが、動作や体力的な要素を分析し、ケガを未然に防ぐためのトレーニングや対策を提案しています。

ランニング特有の障害には、下肢に繰り返し負担がかかることで生じる慢性的なものが多く、代表的には「腸脛靱帯炎(ランナー膝)」「シンスプリント」「疲労骨折」「アキレス腱炎」「足底筋膜炎」などが挙げられます。

かく言う私自身も、15年ほど前に初めてフルマラソンに挑戦した際、腸脛靭帯炎を発症し、約2週間ランニングができない状態を経験しました。

私が今までに相談を受けたランニング障害の代表例

腸脛靭帯炎(ランナー膝)

腸脛靭帯炎は、膝の外側に痛みを生じる代表的なランニング障害です。ランナー膝とも呼ばれ長距離ランナーで多くみられます。

発生メカニズム

股関節外転筋(中殿筋など)の機能低下や大腿筋膜張筋の柔軟性不足、骨盤・大腿のアライメント不良などにより、ランニング中に腸脛靭帯が大腿骨外側上顆部に対して過剰な圧縮ストレスを受けることで、ランナー膝が生じると考えられています。

膝の問題に見えますが、実際には股関節〜体幹のコントロール不全が背景にあるケースが多く見られます。

予防・対策

ランナー膝の改善には、痛みが出ている膝だけに着目するのではなく、股関節周辺の機能とランニング動作全体を見直す視点が重要です。

まず、中殿筋を中心とした股関節外転筋群の筋力強化が欠かせません。これらの筋は、ランニング中の骨盤や大腿のアライメントを安定させる役割を担っており、機能低下があると膝外側への負担が増加します。

次に、大腿筋膜張筋をはじめとした関連筋群の柔軟性改善を行います。腸脛靭帯そのものを強く伸ばすのではなく、周囲の筋の緊張を整えることがポイントです。

さらに、ランニングフォームの見直しも再発予防には不可欠です。過度な股関節内転・内旋や接地時のブレは、局所へのストレス集中を招くため、筋力や柔軟性の改善と併せて動作を修正する必要があります。

ランナー膝は、筋力・柔軟性・動作のバランスが崩れた結果として生じる障害であり、これらを包括的に整えることが改善への近道となります。

足底腱膜炎(いわゆる足底筋膜炎)

中高年ランナーに多く、骨棘(踵骨下面にトゲ状の骨の突起が形成された状態)を伴うこともありますが、骨棘の有無と痛みは必ずしも一致しません。

発生メカニズム

繰り返しのランニングによって、踵骨付着部では足底腱膜に引っ張られる力と着地時の荷重による圧迫力が加わり、これらのストレスが蓄積することで痛みが生じます。

予防・対策

踵に集中する負担を減らすためには、ふくらはぎの柔軟性を高めること足のアーチを支える筋肉をしっかり働かせること、そして走りすぎになっていないかランニング量や強度を見直すことが大切です。

柔軟性や筋機能、ランニング負荷の見直しを行った上で、補助的にインソールを活用するのも有効な手段となるでしょう。

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感想(1件)

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下肢の疲労骨折

下肢(下腿・中足骨)の疲労骨折は、長距離ランナーのように繰り返しの荷重を長時間受け続ける競技で特に発生しやすい障害の一つです。痛みは一点に限局した圧痛が特徴で、進行すると運動時だけでなく安静時にも痛みを感じます。

発生メカニズム

骨も筋肉と同じで、壊れては修復されることを繰り返しています。
しかし、走る量や強度が急に増えたり栄養や休養が不足した状態で走り続けると、修復が追いつかず、骨にヒビ(疲労骨折)が入ってしまいます。

特に閉経後の女性は、骨が弱くなりやすいため、練習量や急な強度の増加には十分な注意が必要です。

予防・対策

急激な練習量・強度の増加を避けることに加え、骨や軟部組織の修復を支えるための適切な栄養摂取が重要です。特に疲労骨折の予防には、エネルギー不足を避けることが不可欠です。体を軽くしたいと思うあまり、摂取するエネルギー量を減らしてしまう方も少なくありません。

また、単調な長距離走だけに固執せず、ランニング練習に緩急をつけるためにも、スピード・時間・心拍数といった指標に目的を持たせて練習を組み立てることが、障害予防の観点からも重要です。毎日同じ強度で長時間走るだけでなく、練習にバリエーションを持たせ、強弱をつけることが大切です。

具体的な考え方については、こちらの記事も参考にしてみてください。

3つの障害に共通する本質

これら3つの障害に共通するのは、

  • 同一動作の反復
  • 局所に負担が集中するフォーム
  • 回復を上回るトレーニング刺激

という点です。痛みが出ている部位だけを見るのではなく、動作・負荷・回復のバランスを包括的に見直すことが、再発防止の鍵となるでしょう。

まとめ

ランニング障害は「使いすぎ」だけで片付けられるものではありません。

  • なぜそこに負担が集中したのか
  • なぜ回復が追いつかなかったのか

を冷静に整理することで、ランニングはより安全で持続可能なものになります。

まさにSDGsならぬSDRs(Sustainable Development Runners)ですね。

ケガが多くて困っているという方は、痛みを我慢して走り続ける前に、一度立ち止まり、身体のサインに耳を傾けてみると解決の糸口をつかめるかもしれません。

オルディナリオでは、年齢による身体変化を踏まえたうえで、マラソン・トライアスロンを長く楽しみたい方を専門的にサポートしています。

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