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トレーニング

筋肥大にはどんな種類がある?

私がトレーニングに関する勉強を始めた1990年台後半は、J-POP最盛期であり、筋肥大と言えば一般的には筋線維の増大(太くなる)というのが一般的でした。

しかし、それも今は昔。

トレーニング科学の発展とともにその常識は日進月歩で変わっています。

今現在でも筋肥大は筋線維が太くなるというのが主流ではありますが、それ以外にも筋肥大の種類には筋線維内の筋原線維以外の部分が増える筋形質肥大や筋線維の数が増加する過形成が挙げられます。

筋線維自体が太くなる

 筋原線維肥大(Myofibrillar hypertrophy)

一般的に運動によって誘発される筋肥大の大部分は、サルコメアと筋原線維が並列に追加されることによって生じます。つまり筋線維そのものが太く、大きくなる肥大です。

※サルコメアとは、筋肉が収縮する仕組みの最小単位となる構造

筋線維内の筋原線維以外の部分が増加する

筋形質肥大 (Sarcoplasmic hypertophy)

筋線維自体はそれほど太くならず、筋線維内の筋形質(水分、グリコーゲン、ミトコンドリア、毛細血管などが含まれる)と呼ばれる細胞質成分が増加することで筋肥大が生じます。

筋線維の数が増えて太くなる

過形成(Hyperplasia)

まだ議論の余地はあり、人間においては断定はできませんが、筋線維数の増加に伴い筋肥大が生じます。

機能的肥大or非機能的肥大

時に筋原線維肥大は機能的肥大、筋形質肥大は非機能的肥大なんて言われます。

しかし、競技選手にとっては、パワーおよび筋力の向上が伴う肥大が機能的であり、ボディービルダーなどの筋肉美を競う選手は、パワーや筋力の向上がさほど伴わずとも筋肉が大きくかっこよく見えることが機能的と言えます。

なにが機能的かは目的により違うので、この分類はナンセンスですね。

まとめ

実際には、ウエイトトレーニングを行うと筋原線維肥大(筋肥大の主要なメカニズムとして広く認められている)と筋形質肥大(存在やその程度、メカニズムについて議論が続いている)の両方が同時に起こると考えられています。

トレーニングの強度、レップ数、セット数や休息時間などの変数の適切な操作によって、どちらの肥大がより優位になるかが変わってくると思われるが、どのようなトレーニング方法を実施すれば、どの肥大を選択的に促すことができるかは研究では明らかになっていません。

しかし、トレーニングの現場で経験を積んできた先達たちが自身の目的を達成するためにどうすれば良いかを経験的に学び、効果を実感し、成果をあげてきました。

今後、それが研究で明らかになり、効率的にそして安全に成果を達成できるようになることを望んでいます。

過形成については、人間において過形成があるかどうかを断定できるほどの研究が不十分であり、まだ議論の余地がありますが、今後明らかになってくると思われます。

わたしが生きている間は難しいかもしれませんが…

参考文献

Roberts MD, Haun CT, Vann CG, Osburn SC, Young KC. Sarcoplasmic Hypertrophy in Skeletal Muscle: A Scientific “Unicorn” or Resistance Training Adaptation?  Frontiers in Physiology. 2020;11:816. 

Maeo S, Balshaw TG, März B, et al. Long-Term Resistance Trained Human Muscles Have More Fibers, More Myofibrils, and Tighter Myofilament Packing Than Untrained. Med Sci Sports Exerc. 2024;56(10):1906-1915.

Schoenfeld, B. J. (2010). The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training. Journal of Strength and Conditioning Research24(10), 2857–2872.

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