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日本人は短距離で勝てない?―「骨格の壁」を越えた30年の歩み

私がトレーニングの勉強を始めた頃、先生から

「日本人はなぜオリンピックのトラック競技で勝てないと思う?」

と聞かれました。

その当時の私はこう答えました。

「骨格が違うから」

30年ほど前、スポーツの話をしていると出てきたフレーズです。

1990年台の日本人選手

長距離では、1992年 バルセロナ五輪、1996年 アトランタオリンピックで有森裕子選手が2大会連続でメダルを獲得して、世界と対等に戦えるという事を示してくれていました。

一方、陸上短距離は、世界の舞台でアメリカやカナダの選手たちが圧倒的な強さを誇ってと記憶しています。

100m走では9秒台が当たり前。対して日本人の記録は10秒(日本記録は伊東浩司選手の10.00)を切ることすらできず、「体格や筋肉のつき方が違うのだから仕方ない」と感じていた人も少なくありませんでした。

変わり始めた2000年代

しかし2000年代に入ると、少しずつ状況が変わり始めます。

  • トレーニング科学やウェイトトレーニングの普及
  • 栄養・リカバリーの知識向上
  • バイオメカニクスの進化

こうした変化が積み重なり、「骨格の壁」と思われていた差が縮まってきました。

桐生祥秀選手の9秒98

2017年9月9日、桐生祥秀選手が日本人初の9秒台(9.98)を記録。

無理だと思われていた9秒台の壁を打ち破る瞬間でした。

その後もサニブラウン・アブデル・ハキーム、小池祐貴、山縣亮太など複数の選手が9秒台に突入。リオ五輪、東京五輪では男子4×100mリレーで銀メダルを獲得するなど、世界と互角に渡り合えるようになり、

今だから言えること

30年前に交わしていた「骨格が違うから」という会話は、今振り返れば時代を象徴する言葉です。もちろん体格差や遺伝的な特性はありますが、それ以上に 環境・指導法・スキルがパフォーマンスに大きな影響を与えることを、日本人スプリンターたちが証明してくれました。

あの時の先生の問いは、あなたたちがトレーニングについてしっかり学び、指導することができれば、

きっと『日本人でも短距離で勝てる様になる時代が来るよ。』と言いたかったに違いありません。

実際,当時の私たちの答えに対して先生は

「本当にそうでしょうか?」と問いかけたのを世界陸上2025を観戦していて、ふと思い出しました。

余談

最近、ヒゲダンにはまってます。
東京2025世界陸上とコラボしているアニメ映画『ひゃくえむ。』の動画を観ながら、ヒゲダンの颯爽感満載の新曲『らしさ』を聞いて下さい。

 

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