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年齢とともに遅くなるマラソンやトライアスロンのタイム。その理由とは?

マラソンやトライアスロンは同じ動きを何万回と繰り返すスポーツなのでより体力的な要素を色濃く受けます。

年齢を重ねるにつれて多くのランナーが「昔よりタイムが伸びない、遅くなってきて」と感じるようになります。

実際にその様な相談を受けることもちらほらあります。

その原因は、加齢に伴う身体の中で起きるいくつかの変化がパフォーマンスに大きく関わっている為です。

最大酸素摂取量(VO2max)の低下

持久力の指標である最大酸素摂取量は、加齢とともに少しずつ低下します。

酸素はATP産生に不可欠な材料であるので、酸素を体内に取り込む能力の低下は、持久力の低下に直結します。

つまりは、私の愛車の様にエンジンの性能が落ちて、燃費が悪くなります。

筋力やパワーの低下

筋力やパワーの低下は、俗にいうランニングエコノミーの低下と大いに関係します。

その背景には、筋繊維の萎縮や運動単位の減少、運動ニューロンの働きの低下があります。

速筋線維の萎縮

速筋がやせてしまうと、足で地面をしっかり押す力が弱くなります。

そのため一歩一歩の推進力が小さくなり、年齢を重ねるほどマラソンのペースが落ちやすくなります。

運動単位の減少

筋肉を動かす神経と筋線維のセットである運動単位が減少すると、動員できる筋線維の数が減り、結果として筋力が低下します。

今まで行っていた仕事を空きない人数で行わなければいけない状態なので、疲れてしまいますね。

運動ニューロンの機能低下

加齢に伴い、筋肉を支配する運動ニューロンは形態や機能に変化が生じ、脳から筋肉への指令がスムーズに伝わりにくくなります。

その結果、筋収縮のタイミングや力の立ち上がりが悪くなり、動きの精度やスピード、力発揮が低下して、走りの効率が落ちてしまいます。

どう対策すればいい?

年齢に逆らえない部分はありますが、「劣化スピードを遅らせる」ことは可能です。

有酸素運動の継続で VO₂max 低下を緩やかに

有酸素運動を継続することで、加齢に伴う VO₂max の低下を緩やかにすることができます。

心肺機能や筋の酸素利用能力は、使わなければ確実に低下します。

そのため、スイム・バイク・ランそれぞれに対して、目的に応じた強度と量で刺激を与え続けることが重要です。

目的応じた運動強度の設定についてはこちらの記事で解説しています。

筋トレで筋量・筋力維持

筋力トレーニングを行うことで、筋萎縮や運動単位の減少を抑制することができます。

若い頃からウエイトトレーニングの習慣を維持しておくことで、筋力低下に伴う持久系競技のタイム低下を小さくすることが可能です。

また、筋力の低下に気づいてからトレーニングを始めた場合でも手遅れではありません。適切な筋力トレーニングを行えば、年齢に関わらず、ある程度の改善効果は十分に期待できます。

プライオメトリクスで素早い筋力発揮を養う

プライオメトリクスとは、地面をすばやく、強く押す力を高めるトレーニングです。

ジャンプや跳ねる動作を用いて、筋肉を一瞬で使う能力や、バネのように反発する力を鍛えます。

自分の身体を素早く動かすためには、短い時間で大きなパワーを地面に伝える必要があります。

これまで多くの高齢者の方を指導してきましたが、加齢に伴いジャンプ動作が苦手になる方は非常に多く見られます。

これは、筋力そのものだけでなく、「力を素早く発揮する能力」が低下していることを表しています。

今一度この能力を鍛え直すことで、パフォーマンスに良い影響を及ぼしてくれるでしょう。

適切な体組成の維持

レース後のビールが美味しくて、つい飲み過ぎたり食べ過ぎたりして、気がつけば体重が増えていた…

そんな経験はありませんか?気持ちは痛いほどよく分かります。

ただし、マラソンやトライアスロンは「自分の身体を運ぶ」スポーツです。体重あたりの酸素摂取量や筋力、パワーがパフォーマンスを大きく左右します。

そのため、日頃から体組成を適切に管理することが、走力や持久力を維持・向上させるうえで非常に重要になります。

適切なペース配分の重要性

若い頃と同じつもりで序盤から頑張りすぎると、途中でバテたり、膝や足に痛みが出やすくなります。

普段の練習の中で無理なく走ることのできるペースを見つけて、戦略的にペース配分を行うことでエネルギー切れや痛みによるリタイアを回避することができるでしょう。。

まとめ

マラソンやトライアスロンでは「重い筋肉なんていらない」「とにかく軽ければいい」

そう考えてきた方も多いかもしれません。

しかし、年齢とともにタイムが落ちてきたと感じる背景には、単なる体重増加や心肺持久力の低下だけではなく、筋力、そして“素早く力を発揮する能力”の低下が大きく関わっています。

必要なのは、ボディビルダーのような大きな筋肉ではありません。

走る・踏む・押すために“使える筋力”を、必要な分だけ持ち続けること。

それらの要素を改善すべく、ご自身のトレーニングにウエイトトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?

オルディナリオでは、年齢による身体変化を踏まえたうえで、マラソン・トライアスロンを長く楽しみたい方を専門的にサポートしています。

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参考文献

    • Hunter, S. K., Pereira, H. M., & Keenan, K. G. (2016). The aging neuromuscular system and motor performance. Journal of Applied Physiology, 121(4), 982–995. https://doi.org/10.1152/japplphysiol.00475.2016
    • 高齢者のためのレジスタンストレーニング:全米ストレングス&コンディショニング協会のポジションステイトメント【高齢者向けレジスタンストレーニング】NSCAジャパン

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