フィットネスクラブの運営において、ルールやマナーは「安全管理」と「利用者満足度」の礎です。
しかしそのルールが周知されていない、曖昧、あるいは例外ありの状態で運用されてしまうと、現場で働く人間が最も消耗し、利用者も嫌な思いをします。
ジム利用者にとってのルールは「掲示がすべて」
ジム利用者の行動基準は極めてシンプルにすべきです。
- 館内掲示
- 口頭説明
- 利用規約
このいずれにも書かれていないことは、利用者にとって存在しないルールと同義ですね。
「察してほしい」
「常識の範囲で」
「ケースバイケースで」
人それぞれ育ってきた環境が違う為、考え方は様々です。
よって運営側の曖昧な態度は現場で混乱を招くだけです。
例外付き運用が招くジム特有の弊害
「今回だけですよ。」「〇〇さんだけ特別ですよ。」
というような例外を認める運用は、短期的には波風を立てないように見えますし、一見お客様に優しいジムに見えるかもしれません。
しかし、ジムの現場では、以下の弊害が顕著です。
① マナーを守る会員が損をする
本来ルールを守っている会員が快適に過ごせる空間であるべきなのにルールを守る会員ほど不満を抱え、結果としてルールを守ってくれる会員が退会してしまうことに。
② 声をかけるスタッフが悪者になる
「前は何も言われなかった」「◯◯さんに良いって言われた」という言葉は、正しいことを伝えているスタッフを追い詰めます。
③ 安全管理が形骸化する
例えば、本来トレーニングが認められていない場所・方法で利用者がトレーニングを行い、その過程で事故が発生した場合、施設管理者の責任が直接問われる可能性があります。
さらに、パーソナルトレーナーによる医療類似行為や危険行為を把握しながらジムの運営者が黙認していたという場合、それは管理・監督義務の不履行とみなされ、施設としての法的・社会的責任が課される場合もあるでしょう。
良いジム運営に必要なルール設計
現場を守るルール運用は、決して難しくありません。
利用者の安全性、快適さを考慮した上で、ルールを作成したら、運営、現場スタッフ、お客様がしっかりと認識・理解できる方法で周知徹底する事です。
そして、社会的価値観の変化、安全基準の変化、利用者層の変化などを考慮して改めるべきルールは改めてアップデートすることが望ましいでしょう。
これができて初めて、現場では業務に集中でき、利用者は安全かつ快適に過ごす事ができるのではないでしょうか。
ルールは会員を縛るためではない
ジムのルールは、
- 会員同士の衝突を防ぎ
- 従業員の業務を守り
- 施設の安全と信頼を維持する
ために存在します。
分かりにくいルール、例外前提の運用は、ルールを守るお客様と現場スタッフを静かに疲弊させるだけです。
まとめ
- 曖昧なルールは、現場対応を増やす
- 例外付き運用は、公平性と安全性を壊す
- 最後に疲れるのは、現場の人間
ジム運営に必要なのは、柔軟さではなく明確さ。
それが結果的に、会員・スタッフ・施設すべてを守ることにつながるのではないでしょうか。
自分の家で、自分一人だけで過ごすのであれば、何をしても基本的に自由です。
しかし、ひとたび何らかのコミュニティーに属するなら、その自由には一定の制約が生まれます。
その制約こそが「ルール」であり、ルールを守ることで初めてコミュニティーは成り立ちます。
競技スポーツも同じです。
たとえばサッカーでは手を使ってはいけない、トライアスロンでは定められた機材の利用・装備の規定を守らなければならないなど。
もし各自が「自分のやり方」を優先して好き勝手にプレーすれば、それは競技ではなくなってしまいます。
ルールは自由を縛るためにあるのではなく、全員が安心して同じ舞台に立つための共通言語です。
ルールを守ることが、競技を成立させ、コミュニティーを守ることにつながります。

合同会社ORDINARIO業務執行社員/CSCS*D/NSCA-CPT/NSCAジャパンレベルⅡ認定/スポーツ医学検定1級/座右の銘「普通」/ Team 「ULTRUN」/トライアスロンチーム「アイアンノビス」マネージャー/日本トライアスロン連合公認審判員(第3種)/JSPOスタートコーチ(ジュニア・ユース)
現在は池袋、氷川台にて一般の方を主にパーソナルトレーナーとして活動しています。マラソン、トレイルランニング、トライアスロン愛好家。フルマラソンサブ4達成、ウルトラマラソン100km完走、IRONMANミドル完走。現在、IRONMAN完走を目指し日々精進中。