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トレーニング 健康

高齢者におけるトレーニングの役割

20年ほど前にパーソナルトレーナーとして開業した当初は、社会保障費を少しでも減らして世の中の役に立つ!なんて意気込んでいましたが、現実を直視すると少々むなしい気持ちにもなります。

なぜなら、日本は他国に類を見ない速度で高齢化が進み、それに伴い社会保障費は増すばかりだからです。

社会保障費は年金、医療、介護、子ども・子育ての分野に分けられ、我々パーソナルトレーナーが貢献できる分野は主に医療介護です。

例えば、運動により筋力の維持・向上を図り、転倒防止や疾病のリスクを減らすことができれば、通院する人も減り必然的に医療費も削減ことでしょう。(医療)

なおかつ、日常生活動作(Activities of Daily Living)を行うに十分な体力を維持していれば、高齢者の方が前向きに自立した生活をすることができ、介護してもらうための費用が少なくて済みます。(介護)

先日、私のトレーニング指導を受けて下さっているお客さまの統計を取ってみたら、60代以降の方が8割を占めていました。

 

そして、良し悪しは別にして、10年以上を継続してくださっている方々が6割おりました。

こういったことから私のクライアントが50代、または60代から老後を見据えて体力を維持し、質の高い生活を送ろうと努力し続けていることがををうかがい知ることができるわけです。

 

私がもっとも危惧していることは、やはりお客様が運動器の機能低下が原因で生活の質が低下し、自立した生活ができなくなる状態です。

その様な状態になってしまうには複数の要因があり、それによって呼び方も変わります。

代表的なものには、「フレイル」、「サルコぺニア」、「ロコモティブシンドローム」、

「廃用性症候群」などがあります。

フレイルとは

加齢に伴い生活機能が低下し、要支援・要介護に至る前の段階の状態を指します。フレイルは身体的な要因だけではなく、精神心理的、社会的な要因も含まれると考えられており、これらの要因が相互に悪影響を及ぼしながら要介護状態に近づいていくと考えられます。

サルコペニアとは

加齢によって筋肉量が減少し、それに伴い筋力が低下した状態を指します。2016年、国際疾病分類に「サルコペニア」が登録され、現在ではは疾患に位置付けられているようです。

サルコペニアになると、日常生活動作に影響が生じ、介護が必要になったり、転倒しやすくなったります。

また、サルコペニアの原因は加齢だけではなく、低栄養や活動不足などにも注意が必要です。

ロコモティブシンドロームとは

「運動器(骨・筋肉・関節・靭帯・腱・神経など)の障害のために移動機能の低下をきたした状態 」のことを表し、2007年に日本整形外科学会によって新しく提唱された概念です。

廃用性症候群とは

病気やケガなどが原因で、療養期間が長期化することで身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響をもたらす症状のことを指します。

その症状としては、筋萎縮、関節拘縮、骨委縮、心機能低下、起立性低血圧、誤嚥性肺炎、血栓塞栓症、うつ状態などが挙げられます。

パーソナルトレーナーとしてできること

呼び方こそ違えど、運動器の機能が低下することで、自立した生活に支障を及ぼすことは同じです。

では、これらの症状に対して、パーソナルトレーナーとしてできることはなんでしょうか。

それは、『目的に対して安全かつ効果的なトレーニングプログラムの作成、指導を行う』です。しかし、人生の大先輩の方々に指導していて思うことは、いつも理想通りにはいかないということです。トレーニングプログラムを用意していたとしても、その時の身体的、精神的な状況でできないことが多々あります。その様な場合は、状況に応じて臨機応変な対応が求められます。

なので、私が高齢者に対してトレーニング指導するときは下記のことを考慮し、提供するトレーニングプログラムに変更を加えています。

  • 必ず当日の体調や睡眠時間を必ずチェックする
  • 既往歴や個人の運動の好み、性格を考慮する
  • 痛みを感じさせない
  • 無理をさせない
  • 楽しみをやチャレンジ精神をもって継続してもらえるような運動処方
  • 運動後はパートナーストレッチで爽快感を感じてもらう

壮年期から継続して運動する習慣をつけてほしい

正直なところ、要介護状態に陥ってから運動をしてもそこから引き上げる事は至難の業です。

楽しい老後を過ごしたいと思っている皆様方におかれましては、壮年期から運動習慣を身に着け、来るべき時期に健康かつ楽しく過ごせるように、体力を蓄えておいて下さい。

さすれば、万が一、病気やケガで数週間に渡って運動を中止したとしても、介護を要する状態になるリスクを低くすることができます。

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