トレーニング指導に携わる身として皆様が一番優先していることはなんでしょうか。
私は、断然『安全』です。
なぜならば、指導者の過失や知識不足でクライアントに不利益を被らせることは絶対にしてはいかないからです。
例えば、床に置きっぱなしにしたダンベルにクライアントがつまずき転倒してけがをしてしまったり、不適切な姿勢でエクササイズ実施しているにも関わらず指導者が修正させずに実施させ、その結果けがにつながるなど。
もし、このようなことが起きてしまうと指導者の責任も問われます。そして何よりもせっかく料金を払って自分のトレーニング指導を受けてくださっているのに、逆に不利益を被らせてしまうことは本末転倒ではないでしょうか。
だらか、私はトレーニング効果よりもまず、クライアントの安全性に重きを置き、あらゆるシチュエーションに備え事故やけがを起こさないことを重要視しています。
安全に指導するために気を付けていること
1.整理整頓
言わずもがな基本はやはり、整理整頓です。
できない方は小学生からやり直してください。
2.セーフティバー、カラーの接地
ベンチプレスを実施する際に、セーフティーバーを正しく設置しなっかったためにバーが首に落ちて、もがいいる方をこれまでに数名助けたことがあります。
トレーニング器具にセーフティーバーやカラーが付属していることには意味があります。自分は大丈夫だというような過信をせずに自分が実施する際にも、指導する際にも設置するようにしましょう。
さすれば、クライアントもパワーラックを使用する際には、それらを設置する習慣が身に付き、ご自身でトレーニングする際の安全性も向上します。
3.清掃、メンテナンス
十分な清掃ができていなかったり、メンテナンスが不十分だったりすると、トレーニング器具の破損や摩耗につながり、事故にもなり得ます。
また、血液や体液がトレーニング器具に付着していたりする場合もあります。
そのような場合も清掃、消毒を怠ると感染症につながる可能性もあるので、安全に気持ちよくトレーニングをしてもらえるように清掃やメンテナンスは常時おこなうことが好ましいでしょう。
4.トレーニングルームのレイアウト、エクササイズを行うための十分なスペース
あれもこれもトレーニングスペースに設置したいという気持ちもわからなくもありませんが、それらの器具を使うための十分なスペースがなければ、無用の長物であり、何よりも事故につながりかねないので、トレーニングするスペースを供給する側は、それらを考えてレイアウトをしなければなりません。
また、利用する側もトレーニングをするときには周りに配慮して上で実施し、周りの人に危険を及ぼさないように利用しましょう。
中には、オーバーヘッドエクササイズを実施しているときに、バーベールの軌道下を通り過ぎていくチャレンジャーな方もいるので、エクササイズ中も気を付ける必要もあります。
5.室温、湿度の管理及び換気
室温22〜26度、もしくは20~22度、湿度60%、もしくはそれ以下が好ましいとされていますが、どのような運動を行うかで適切な室温は変わって然るべきです。
例えば、ランニングやサイクリングをするカーディオエリアは、汗をかきやすいので少し涼しめにするとか、トレーニング後にセルフケアを行う場所は、汗冷えを防ぐために少し暖かめにするなど。
また体感温度は個人差もあるので、クライアントの様子を見聞きして設定温度を変えることも大切です。
昨今の新型コロナウイルスの流行により、換気の重要性が叫ばれています。
室内の空気と外気が入れ替わるように1時間に数回は換気を行なったり、経済的に余裕があれば換気システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
6.障害リスクの低いエクササイズテクニック
各エクササイズのフォームには、安全に行うための理由があります。
トレーニングによって体力の向上を目指したいのに、ケガにつながるようなフォームで行ってしまうと効果をだすどころか、逆に関節や筋肉を傷める原因にもなり得ます。
そのためにも我々トレーニング指導者は、クライアントに安全なトレーニング指導ができるように学び続け、適切なフォームを身に着け、さらにはクライアントのエラーテクニックを見極めたうえで、修正できるように指導する技術を磨き続けるべきでしょう。
まとめ
他にも例をあげればきりがありませんが、私は必要最低限これらのことに気を付けています。
残念なことに、トレーニング指導者のためのテストに合格したとしても、このようなことは身に付きません。
こらからトレーニング指導者を目指したいという方は、指導技術や知識は勿論ですが、この様なことも学び当たり前のようにできるようになってもらいたいものです。
合同会社ORDINARIO業務執行社員/CSCS*D/NSCA-CPT/NSCAジャパンレベルⅡ認定/スポーツ医学検定1級/座右の銘「普通」/ Team 「ULTRUN」/トライアスロンチーム「アイアンノビス」マネージャー/日本トライアスロン連合公認審判員(第3種)
現在は池袋、氷川台にて一般の方を主にパーソナルトレーナーとして活動しています。マラソン、トレイルランニング、トライアスロン愛好家。フルマラソンサブ4達成、ウルトラマラソン100km完走、IRONMANミドル完走。現在、IRONMAN完走を目指し日々精進中。